終戦記念日に合わせて忠霊塔内部を公開
普段、忠霊塔の内部へ入ることはできませんが、毎年終戦記念日に合わせて8月14日、15日、16日の3日間、忠霊塔の内部が一般に公開されます。私の親戚で忠霊塔へ合祀されている先祖はいませんが、同郷富士吉田から出征し、命を落とされた方々を思いながら毎年参拝しています。今年も公開初日となる8月14日に、お参りさせて頂きました。
日差しは雲に遮られていたので、厳しい暑さからは免れましたが、忠霊塔へ続く398段の階段「咲くや姫階段」を上がって行くと息が切れ、大量の汗をかいてしまいました。公開日ということもあり、いつもよりすれ違う人が多いように感じます。カメラを抱え取材を終えたNHKのスタッフともすれ違いました。途中から階段がきつくなったので車道を歩き始めました。車道は木陰になっているので、日差しを避けながら忠霊塔へ上がることができます。
午前10時30分ころ忠霊塔へ到着。通いなれた道ですが暑さがきつかったです。忠霊塔へ到着するとテレビ山梨のスタッフが撮影と取材を行っていました。
ご位牌がびっしり並ぶ忠霊塔内部
忠霊塔の外見は五重塔ですが、建物内に階段はなく、二階以上の建物内へ入ることは出来ません。建物内へ入れるのは一階のみです。一階の広さは四畳半程度の広さがありますが、円形の壁際には合祀された方のご位牌がびっしりと並んでいるので、4~5人入れば一杯です。建物の大きさに比べ、室内はかなり狭い印象です。
室内の壁際には、合祀された1,055柱のご位牌が安置されています。その様子を目の当たりにすると、改めて亡くなられた方々の多さに驚くと同時に、ここが慰霊塔という祈りの場であることを認識します。
富士山と桜と五重塔のアピールもいいが
忠霊塔は富士山と桜と五重塔が同時に見ることができる場所として、日本はもとより広く海外にも知られています。そのため特に富士山が世界文化遺産へ登録後、訪れる人が急激に増えました。また富士吉田市も積極的にアピールと、周辺の整備を行っています。しかし訪れる多くの人が、ここが戦没者を祀る慰霊塔であることは知らないように感じます。
ここを訪れた方々には、ここから望む美しい富士山をぜひ楽しんで頂きたいと思います。そしてそれとともに忠霊塔は、戦没者が祀られている慰霊塔であり、静かに祈りをささげる場であることの理解が広がることを願っています。